ロハでHDRパノラマ (14): Fake HDRって?

画像処理スクリプトや、GimpのPluginに"Fake HDR"を名乗っているものを見かける。この"Fake"がナニを意味しているのか、ワシなりに。

画像1枚から捻り出すもの
トーンマッピングを行うが、素材の階調自体は8 bit整数に収まっている場合、つまりJPGの場合だが、これは判断が難しい。Raw (階調は10 bitだったり、12 bitだったり、14 bitだったり)から起こすものは、準Fakeか。被写体の欲しい階調が、Raw 1枚なりJPG 1枚に収めきれていれば、Fake とは言えないのでは。

そもそも、トーンマッピングしていないもの
トーンマッピングの結果現れる輪郭部分のハローを擬似的に再現したもの。Blurを掛けたレイヤーを合成してソレらしく見せていることが多い。素材はJPG 1枚のものも、ブラケッティングしたJPG のものも、Raw 一発のものもある。素材がJPG 1枚なら、紛う事なきFake。8 bitを越えた階調を上手に合成しているなら、準Fakeか。

一言でなら、HDRを名乗るのならトーンマッピング必須で、欲しい階調を収めきれているならJPGでもRawでも枚数は問わない、つうところだろうか。ただ、上はHDR合成と処理時の階調の問題が抜けてはいる。

Fakeだからダメだ、つう訳ではない。出来上がりが気に入ればそれでいい。Pluginやスクリプトの作者が、HDR合成やトーンマッピングを経てない事に、もしくは偉大なトーンマッピングオペレータの作者に、謙遜でFakeと自称してるんだと思う。初心者には混乱の元だとは思うが。割合手軽なので、こういう手法でのポテンシャルを理解の上であれば、オッケーじゃないかと。

カメラ本体のダイナミックレンジ圧縮で撮影した写真 1枚からトーンマッピングしてみると面白いかも知れない。近いうちに実験してみよう。

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