ロハでHDRパノラマ (15): 上手にできた例・ミッドタウンガーデン

先ずは完成品、ミッドタウンガーデンのオブジェ。

例によって、


という流れ。左右2枚だけなので上手にできて当たり前といえば当たり前だが、最適化は3段階でやると良い、という例。

コントロールポイントは4つだけ。手動で追加する。

一度目の最適化。先ずは、ヨー (y)とピッチ (p)とロール (r)だけを最適化する。あ、ダイアログの日本語訳間違ってますね。

その結果。最大で15 ピクセルもズレている。

プレビュー診てみるとズレが分かります。オブジェ左上の鞍部がズレてます。悲惨です。

ここからが大事。二度目の最適化では、一度目の (y, p, r)に加えて、水平画角 (v)と歪み (c)を最適化する。歪みの (a)と(b)は放っておく。その結果がこれ。ズレは最大で1.8 ピクセル

プレビューを見てもズレはほとんど分からない。

三度目の最適化は少しややこしい。メニューから、編集 → 全ポイントの微調整を実行した後、最適化タブの[最適化]ボタンで最適化する。

3回に分けて最適化を行った。ズレの収束をまとめると下のようになる。

  • ズレの平均は、9.774 → 1.063 → 0.792
  • ズレの標準偏差は、5.52 → 0.586 → 0.463
  • ズレの最大値は、14.992 → 1.807 → 1.442


となった。この順番が効率良いように思う。コントロールポイントの選び方にもコツがある。今回気をつけたのは、同じくらいの深度に3点以上、ただし直線上に並ばないように、という事。直線に並ばせない事で効率よく解を収束させることが出来るハズ。

コントロールポイントが多い場合 (数十とか数百)は、三回目の最適化を繰り返すと良い。ある程度まで絞り込むことが出来る。このとき、「メニューから、編集 → 全ポイントの微調整」と「最適化タブの最適化ボタンで最適化」の間で、素性の良くないコントロールポイントを捨てるのが非常に有効。

F3キーを押すと、コントロールポイントの一覧を見ることが出来る。

そこに、「距離」という項目が表示される。これが、トラップ。その時の状況によって二種類の値を、同じ「距離」という名目で表示する。ビックリだよ。普通の最適化の後は、コントロールポイントのズレを距離として表示し、全ポイントの最適化の後はコントロールポイントの相関係数を距離として表示している様だ。

コントロールポイントの一覧の一番下に、[距離で選択]というボタンがある。これをコントロールポイントの精査に使用する。


  • 何度かの最適化の後、ズレが数十ピクセルというコントロールポイントは不良なので放逐する。[距離で選択]というボタンを押し、ダイアログに例えば、「30」と入力する。ズレが30 ピクセル以上のコントロールポイントが選択されるので、消しちゃえ。



  • 「全ポイントの最適化」の後は、相関係数足切りをする。[距離で選択]というボタンを押し、ダイアログに例えば、「-0.95」と入力する。相関係数が0.95以下のコントロールポイントが選択されるので、やっぱり消しちゃえ。


相関係数に単位は無い。数学苦手な人には、相関係数掛ける100で100点満点制・90点以上で合格・95点で優等生、とか説明することにしている。

最後は露出の最適化を行う。この時、ホワイトバランスやレスポンスカーブはイジらない。

これで完成。スティッチングタブで投影法などを選択してポンだ。

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