Volver (2006)

DVDレンタルで二度目の視聴。集中力と理解力に欠く嫁に説明しながらだったが、やっぱりライムンダの唄のところで堪えきれずに涙した。良い映画だ。相手の嗜好にもよるが、見たこと無い人には一通りお薦めするようにしている。

何が良いのか。先ず、ペネロペ・クルスが実は演技派だったことを思い知らされる。大きな瞳で語る、囁く、叫ぶ、嘆く、まあ自由自在だ。子持ちのオバハン役なので尻にパッドを入れての熱演だ。脇役もすごく良い。がっちり脇を固めて、出しゃばらずに華を添える。

そして何より、お話の面白さだろう。いくら制作費をつんでも、スターを並べても、超絶CGを駆使しても、お話が詰まらない映画は屑だ。その点、この映画はお墨付きだ。

スペインは我々から見ればラテンな国だが、心の襞は細かい様だ。ああ、この目配せはそうだったのか、など、実に細やかだ。

一言で言うと、伏線を張る・張る・張る…ペネロペ唄…回収・回収・回収・(回収)。後半、パチパチパチッと見事にハマっていく感じが気持ちよい。