熱力学第二法則と年金、あるいは世界経済

なんか小難しいタイトルつけてしまったが。要するに、なんにでも終わりは有る、つうことだ。熱力学第二法則ってナニ?美味しいの?ってなムキに、Wikipediaから引用。

エネルギーの移動の方向と、エネルギーの質についていえば、例えば、液体を、電気的に加熱する時など、エネルギーは一方向にしか移動しないことは自明である。電気エネルギーは冷水を暖めることはできるが、熱水自体からは電気エネルギーは生じない。つまり、電気エネルギーは質の高いエネルギーであるが、温水のエネルギーの質は低い。


まだ分かりにくいな。使いやすい質の高いエネルギーは使いにくい質の低いエネルギーに変わるが、その逆は無い、つうこと。

石油の埋蔵量に限りが有ることは小学生でも知っているが、その他の代替エネルギーにだって必ず限りはある。これが熱力学第二法則の意味だ。メタノール、水素といった内燃機関代替エネルギー然り、太陽電池、風力といった代替電力然り、地熱、潮力然り、すべてのエネルギーには限りが有る。

一方、私たちのあらゆる経済活動は普くエネルギーで裏打ちされている。エネルギーなしに世界は回らない。血眼になって殺し合いをしてでも石油をモノにしたい理由だ。

じゃ、エネルギーが枯渇、枯渇しなくても足りなくなり始めるとどうなる。端的に言うと、「足りない分人が死ぬ」はずだ。経済力・政治力の無い国の人から順番に死ぬはずだ。世界の人口が70億人を突破したが、人口が増えた分だけエネルギーは必要だ。今までより速く石油を掘る必要があるっつうことだ。でなければ人が死ぬ。

世界経済が金本位制であれば問題は先送りできたはずだ。残念なことに、世界の銀行は金という有限の裏打ちのない「カネ」*1を発行しており、このシステムは無限の経済成長を根拠にしている。熱力学第二法則と真っ向から矛盾している。ワシは銀行屋より物理を信じるね。つまり、近い将来、遠い将来に拘らず、必ず、「カネ」の世界経済は破綻する。

似たようなシステム・仕組みが日本にも有って、破綻してるでしょ。年金。

*1:経済用語では「不換紙幣」とかFiat Currencyなどと言う。