ロハでHDRパノラマ (17): 動体除去

HDR写真、風景とは相性良いんだが、人物とか乗り物など動くもの、動体が苦手だ。Raw一発でキメてるんなら問題ないんだが、ワシの場合はJPG3枚なので、どうしても動体で問題が起こる。

先日、新宿御苑に行った際の話。フレームから人を避けていてもどもならんので、逆に、桜を撮る人間を入れ込んでしまおう、と。そこへ、目の前でゴツいカメラを構え始めたおばはんが居た。おばはんはトロいんで、ピクリともしない間にこっちは3枚撮れるぞ、と。

よっしゃー、とシャッターを切るも、左からおっさんがフレームイン。しかもこっち見ながら。分かっとるんなら少し待ったらんかい、と。フツーの人間だったら憚るよな。街中ならまだしも、ここは観光地で、桜の季節なんだし。

とか言っていてもしゃーないので、反射的にもう1枚 (というか3枚)同じフレーミングで撮っておいた。帰宅してから確認すると、これはおっさん消せるな、と気付いた。さっそく抹殺だ、抹殺。

ちょっと整理してみる。ワシの場合、HDR作成スクリプトの中身の手順はこんなだ。

  1. Exifから露光情報 (シャッタースピード、絞り、感度)を抽出しておく。(pfs.hdrgen 直)
  2. JPGをalign_image_stackで位置合わせする。位置合わせの終わったファイルはTIFF
  3. さっきのExif情報のファイル名をTIFFとすり替える。
  4. TIFFExif情報からHDR合成する。出力は.hdr形式。
  5. トーンマッピングを行う。ワシの場合、tmo_mantiuk06とtmo_fattal02。
  6. トーンマッピングした画像を合成する。出力はTIFF


手順の2. の後にTIFFファイルを編集してやればうまくいくはずだ。位置合わせの終わった6枚はこんなだった。上の3枚では通り過ぎるおっさんが邪魔、下の3枚では写真撮り終わったおばはんが動いてくれている。

これをGimpなどで編集してやる。切り取って透明にした部分が、下では白く見えている。

露光の同じ上下2枚を組み合わせて1枚にする。今回の場合なら、下の写真を開いた後、「レイヤーとして開く」で上の写真を開けば良い。テキトーな名前を付けて保存する。

6枚あった写真が3枚になってしまったので、Exifから引っ張った露光情報を編集してやる。あ、1枚めと4枚め、ちょっとシャッタースピードが違うな。まいいか、気にするな。(pfs.hdrgen.edit 直)

AIS_000000.tif 625 4.0 80 0
AIS_000100.tif 1666.67 4.0 80 0
AIS_000200.tif 158.73 4.0 80 0

あとはスクリプトの手順どおり作業すれば良い。

$> pfsinhdrgen pfs.hdrgen.edit | pfshdrcalibrate -c none -r gamma | pfsclamp --rgb | pfsout pfs.hdr
$> pfsin pfs.hdr | pfstmo_mantiuk06 -e 1 -s 1 | pfsgamma --gamma 2.2 | pfsoutimgmagick hdr_mantiuk06.TIFF
$> pfsin pfs.hdr | pfstmo_fattal02 -a 0.25 -b 0.84 -s 0.75 | pfsgamma --gamma 1.0 | pfsoutimgmagick hdr_fattal02.TIFF
$> composite hdr_fattal02.TIFF hdr_mantiuk06.TIFF -compose pegtop_light -depth 16 HDR_6189.TIFF

出来上がりはこんなんなる。以上、貧者のdeghostingでした。


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