トロフィーさん

近所のスーパーに買い物に行く。スーパーにはふたつ、出入り口があり、ワシは表を使う。もう一つの出入り口は、スーパーのある高層マンションの住人専用みたいなもん。

ある日、その野菜売場の手前にある住人用出入り口から、いいオンナが、しゃなり、と入ってきた。年の頃は二十代後半、スタイルは抜群、ベビーカー(最近はバギーってか、知らねえよ)を推してるが、着るものにも満遍なく金が掛かっているし、ふわっと香水も香る。おお、金持ちの若奥さんは違うねえ、こういうのをイワセテみたいねえ、などと不埒な事を考えつつ、ワシは目的の棚へ。

特売の丸大豆醤油は棚の一番下の段だ。もう売りきれたんかなあ、と、しゃがみ込んで覗いていた。すると、お尻の辺りを突っつく奴が居る。さっきのいいオンナがベビーカーの車輪でワシの臀部を突いているのだ。なんだ?と問うても黙って突っ立っている。要するに、「どきなさいよ(怒)」ということらしいのだ。まあ、勿論、こっちも無視するんだが。

この辺にはそういう勘違いババアが多い。旦那の稼ぎが良く、容姿も良い、そういうの。

英語には巧い言い回しがあって、こういうのをTrophy Wifeという。高収入のオッサンが綺麗なだけのおつむの軽いオンナを、戦利品として妻にする。トロフィーという訳だ。

ま、嫌なことされてもトロフィーだと思えば腹も立たない。ひょっとすると磨かせてもらえるかもしれないし。ひひひ。